机には向かった。教科書も開いた。でも、どうにも勉強する気になれない。
試験まで時間がないと分かっていても、ついスマホに手が伸びる。昨日は頑張れたのに、今日は最初の一問すら解く気になれない。そんな日もあるものです。
勉強のやる気が出ないとき、必要なのは「もっと頑張れ」という言葉だけではないのかもしれません。学ぶことの面白さを思い出したり、小さな積み重ねにも意味があると気づいたりすることで、気持ちが変わることもあります。
今回は、孔子や荀子、福沢諭吉らが残した、学びにまつわる名言を紹介します。勉強を始めたいとき、努力を続けたいとき、思うように結果が出ずに焦っているとき。今の気持ちに合う言葉を探してみてください。
勉強のやる気が出ないときに読みたい名言集
「学んだことを折に触れて復習する。それは喜ばしいことではないか。」
-孔子
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『論語』「学而」にある「学びて時に之を習う、亦た説ばしからずや」という言葉の意味を、現代の日本語で表したものです。
勉強をしていると、復習は一度覚えたことをもう一度やる退屈な作業に感じられるかもしれません。でも、昨日は解けなかった問題が今日は解けたとき、以前は難しかった説明がすんなり理解できたときには、確かに小さな喜びがあります。
新しい範囲に進む気力がない日は、前に間違えた問題を一つ解き直すだけでもいい。「分かるようになった」という感覚を思い出すことが、次の勉強につながるかもしれません。
「古いことを学び直し、そこから新しいことを知る。」
-孔子
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「温故知新」で知られる、『論語』「為政」の言葉です。原文では、古いことを振り返って新しい理解を得られるなら、人に教える立場にもなれると続きます。
数学の新しい単元が難しいとき、その原因が前の学年で習った計算にあることがあります。英語の長文が読めないときも、以前に覚えた文法へ戻ることで、急に意味がつながる場合があります。
先に進むことだけが勉強ではありません。分からなくなった場所まで戻ることも、理解を深めるための立派な一歩です。
「学ぶだけで考えなければ、理解は深まらない。考えるだけで学ばなければ、危うい。」
-孔子
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『論語』「為政」の「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」という一節に由来します。
解説を読んで「なるほど」と思ったのに、いざ自分で問題を解くと手が止まってしまう。反対に、問題を前にずっと考え込んでいても、必要な知識がなければ答えにたどり着けない。勉強をしていると、どちらの経験もあるのではないでしょうか。
知識を取り入れたら、自分の頭で使ってみる。分からないところが見つかったら、また学び直す。「読む」と「考える」を行き来することの大切さを感じさせる言葉です。
「知っている人は、好きな人に及ばない。好きな人は、楽しんでいる人に及ばない。」
-孔子
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『論語』「雍也」にある、学ぶことと楽しむことの関係を考えさせる言葉です。
最初から勉強が好きな人ばかりではありません。それでも、歴史上の人物の意外な一面を知ったり、理科で身近な現象の仕組みが分かったりすると、「もう少し調べたい」と感じる瞬間があります。
やる気が出ないときは、教科書の最初から順番に進めることにこだわらず、自分が少しでも面白いと思える部分から手を付けてみる。興味のある一か所が、勉強を再開する入口になるかもしれません。
「三人で歩けば、その中には必ず私の師となる人がいる。」
-孔子
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『論語』「述而」にある言葉です。続く部分では、他人の良いところを見習い、良くないところは自分を改める材料にする、と説かれています。
同じ問題を解いていても、友達が自分とはまったく違う解き方をしていることがあります。先生の説明では理解できなかった内容が、友達の一言ですっと分かることもあります。
「自分より成績が良いかどうか」だけで相手を見るのではなく、「この人の考え方から何を学べるだろう」と考えてみる。周囲の人との関わり方が、勉強を広げてくれます。
「学ぶことに飽きず、人に教えることに疲れない。」
-孔子
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『論語』「述而」の「学びて厭わず、人を誨えて倦まず」を、現代の言葉にしたものです。
ここでいう「飽きない」とは、毎日必ず楽しい気分で勉強するという意味ではないでしょう。新しいことを知る姿勢を持ち続け、学んだことを人にも伝えようとする態度が表れています。
覚えた内容を誰かに説明してみると、自分では分かったつもりだった部分が、意外とうまく言葉にできないことがあります。人に教えることもまた、自分の理解を確かめる勉強になります。
「学びは、まだ足りないと思って進み、得たものを失わないように努める。」
-孔子
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『論語』「泰伯」に記された「学は及ばざるが如く、猶お之を失わんことを恐る」に基づく言葉です。
新しいことを覚えたと思ったら、前に覚えたことを忘れてしまう。勉強では、そんなことが繰り返し起こります。
だからこそ、昨日の自分より先に進むことと、すでに学んだことを確かめることの両方が必要なのでしょう。新しい問題を一問解いたら、前の問題を一問解き直す。小さな習慣にも意味を見いだせる言葉です。
「山を築くとき、完成まであと一杯の土というところでやめるのも、自分自身だ。」
-孔子
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『論語』「子罕」では、山を築くことが努力のたとえとして登場します。あと少しで完成するところで手を止めるのも、一杯の土を積んで先へ進むのも、自分の行動によるという話です。
ただし、勉強している本人には、完成まであとどれくらいなのか分からないことも多いものです。何日も勉強しているのに成績が変わらないと、積み上げているものが見えなくなります。
そんなときは、結果だけでなく、先週は解けなかった問題が解けるようになったか、覚えられなかった単語を覚えたかにも目を向けてみたいところです。山全体は見えなくても、今日積んだ土は確かにそこにあります。
「日々、知らなかったことを一つ知り、月々、身につけたことを忘れない。それが学びを好むということだ。」
-子夏
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孔子の弟子・子夏の言葉として、『論語』「子張」に収められている一節です。
勉強の成果を毎日大きく伸ばそうとすると、思いどおりに進まなかった日に嫌になってしまいます。でも、今日知らなかったことを一つ覚え、前に覚えたことを一つ思い出せたなら、その日にも学びはあります。
「今日は何時間勉強したか」に加えて、「今日は何が分かるようになったか」を振り返ってみる。勉強を続ける手応えを見つけるための、もう一つの物差しになりそうです。
「広く学び、志をしっかり持ち、疑問を切実に問い、身近なことから考える。」
-子夏
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こちらも『論語』「子張」にある子夏の言葉です。原文では、こうした学びの姿勢の中に「仁」があると述べられています。
勉強していて分からないところが出てきたら、何となく読み飛ばすのではなく、「何が分からないのか」を言葉にしてみる。大きな目標を考えるだけでなく、今目の前にある一問を確かめてみる。
志を持つことと、身近な疑問を大切にすることは、どちらか一方を選ぶものではありません。遠くの目標があるからこそ、今日の小さな問いに向き合う意味も生まれます。
「学ぶことは、やめてしまってよいものではない。」
-荀子
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『荀子』「勧学」の冒頭に置かれた「学不可以已」という言葉です。「勧学」は文字どおり、学ぶことの大切さを説いた篇であり、学びが人を変えていく様子を、さまざまなたとえ話で説明しています。
ここで、勉強を一日休んだらすべてが無駄になる、と受け取る必要はありません。勉強から少し離れた日があっても、また学び始めることはできます。
「昨日できなかったから、今日もやらない」ではなく、「今日は一問だけやってみよう」。学ぶことを完全に手放さず、再び始めるための言葉として読んでみたい一節です。
「青い染料は藍から取れるが、もとの藍よりも青くなる。」
-荀子
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「青は藍より出でて藍より青し」という言葉のもとになった、『荀子』「勧学」の一節です。現在では、弟子が師を超えることを表す言葉としても広く使われています。
「勧学」では、染料や氷、加工された木などの例を使って、もとの状態から変化することを説明します。人もまた、生まれつきの状態だけで決まるのではなく、学びを通じて変わっていけるという考え方につながります。
今の自分にできないことがあっても、それがずっとできない理由にはなりません。勉強する前の自分と、勉強した後の自分は、同じである必要はないのです。
「一日中考えているよりも、わずかな時間でも学ぶほうが得るものは大きい。」
-荀子
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『荀子』「勧学」にある、考えることと実際に学ぶことを対比した一節です。
「どの参考書を使えばいいだろう」「今日は何時間勉強しよう」「もっと効率のいい方法はないかな」。勉強の計画を立てているうちに、いつの間にか時間だけが過ぎてしまうことがあります。
もちろん、考えることも計画を立てることも大切です。ただ、計画が完璧になるのを待つより、まず問題を一つ解くほうが、自分に何が足りないのか見えてくる場合もあります。
「背伸びをして遠くを眺めるより、高い場所に登るほうが広く見渡せる。」
-荀子
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こちらも『荀子』「勧学」に登場するたとえ話です。背伸びをするのと高いところに登るのとでは、どちらも遠くを見ようとする行動ですが、見える範囲は異なります。
勉強でも、同じ説明を何度も読んで理解できないときがあります。そんなときは、図解のある教材を探したり、別の人に説明してもらったり、具体例から考えたりすることで、見え方が変わるかもしれません。
努力が足りないと自分を責める前に、今とは違う場所から問題を眺める方法がないか考えてみる。そのきっかけになる言葉です。
「小さな歩みを積み重ねなければ、千里の道には到達できない。」
-荀子
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『荀子』「勧学」にある「不積跬歩、無以至千里」という一節を現代の言葉にしたものです。
試験範囲が広いと、勉強を始める前から「全部は終わらない」と感じることがあります。けれども、十ページを一度に理解できなくても、一ページを読み進めることはできるかもしれません。
大きな目標を小さく分けるのは、目標そのものを小さくすることではありません。最終的にたどり着きたい場所があるからこそ、今日できる一歩を決める意味があります。
「優れた馬でも、一度の跳躍では十歩進めない。足の遅い馬でも、歩みを続ければ遠くまで行ける。」
-荀子
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『荀子』「勧学」では、優れた馬と足の遅い馬を比べ、進み続けることの意味を説いています。
周囲の人が一度で理解する内容を、自分は何度も読み直さないと覚えられない。そんな場面では、勉強の速さだけで自分を評価したくなるかもしれません。
でも、最初に理解する速さと、学び続けて最終的に身につけられることは同じではありません。人より時間がかかっても、自分が進んだ距離まで消えてしまうわけではないのです。
「刻むことをやめなければ、金属や石にも彫り込むことができる。」
-荀子
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『荀子』「勧学」の「鍥而不舍、金石可鏤」という一節に基づく言葉です。少し刻んですぐにやめてしまえば、柔らかな木すら彫り進められない。しかし、刻み続ければ硬い金属や石にも模様を残せる、という対比が示されています。
何度も間違えた問題に正解できた日、最初は読めなかった英文を読み終えた日。勉強の成果は、一回で劇的に現れるものばかりではありません。
同じ言葉を何度も書いたノートや、繰り返し解いた問題集にも、積み重ねた時間は残っています。すぐに結果が出なくても、今日の一回に意味を見いだしたいときの言葉です。
「暮らしを営むことも学問であり、帳簿をつけることも学問であり、時代の動きを知ることも学問である。」
-福沢諭吉
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『学問のすすめ』第二編では、学問を本を読むことや文字を覚えることだけに限らず、暮らしや仕事に役立つ知識まで含めて捉えています。
学校の勉強と日常生活は、別々のものに見えることがあります。でも、買い物で割合を計算するとき、ニュースを読んで世の中の出来事を理解するとき、誰かに伝わるように文章を書くときにも、学んできた知識を使っています。
今勉強していることが何の役に立つのか分からなくなったら、「この知識は、暮らしのどんな場面につながっているだろう」と考えてみる。教科書の外にも学びがあると気づかせてくれる言葉です。
「自分の能力や人としての徳を備えるには、物事の道理を知らなければならない。」
-福沢諭吉
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『学問のすすめ』初編にある一節を、現代の言葉にしたものです。福沢諭吉は続けて、物事の道理を知るためには文字を学ぶ必要があると述べています。
何かを学ぶことは、試験の点数を上げるためだけではありません。説明を読んで自分で判断できることが増えたり、分からないことを調べる方法が身についたりすれば、自分で選べることも増えていきます。
今日覚える単語や公式が、すぐに生活で役立つとは限りません。それでも、学ぶ経験そのものが、これから出会う問題を自分の力で考えるための土台になるかもしれません。
勉強のやる気が出ない日は、どの名言から行動に移す?
ここまでの名言を読んでも、すぐに勉強したくなるとは限りません。大切なのは、やる気が十分に出るまで待つことだけではなく、今の自分が取りかかれる形に勉強を変えてみることです。
何から始めればいいか分からないなら、荀子の「小さな歩みを積み重ねなければ、千里の道には到達できない」という言葉を思い出して、最初の一問を決めてみる。
何度も間違えて落ち込んでいるなら、孔子の「古いことを学び直し、そこから新しいことを知る」という言葉に立ち返り、前の単元を復習してみる。
勉強がつまらなく感じるなら、「好きな人は、楽しんでいる人に及ばない」という言葉をきっかけに、興味のある内容から始めてもいいでしょう。
どの言葉が響くかは、その日の気持ちや、つまずいている場所によって変わります。今日の自分に合う一つを見つけ、そこから勉強を再開してみてはいかがでしょうか。
名言の出典について
本記事では、出典を確認できる『論語』『荀子』『学問のすすめ』の言葉を紹介しました。古典の日本語表現には、原文の趣旨をもとに本記事で現代語にしたものを含みます。既刊の現代語訳から文章を転載したものではありません。
『論語』には孔子本人の言葉だけでなく、弟子たちの言葉も収められています。本記事では、子夏の言葉については発言者を「子夏」として表示しています。


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