聖書の名言集|つらいときにそっと寄り添う、励ましと愛の言葉

Emoquote-心に響く名言集




眠れない夜や、先の見えない不安にのまれそうなとき。古い言葉が、思いがけず心を支えてくれることがあります。

聖書は、キリスト教やユダヤ教の聖典であると同時に、世界で最も多くの言語に訳されてきた書物のひとつです。「狭い門」や「世の光」のように、信仰とは関係なく日常の言葉として定着した表現も少なくありません。

ここでは、旧約聖書と新約聖書から、短くて覚えやすい言葉、つらいときの励ましになる言葉、愛について語った言葉を選びました。本文は日本聖書協会の口語訳(1954年・1955年)を使い、書名と章・節を添えています。

目次

聖書の名言集

創世記の名言

「神は『光あれ』と言われた。すると光があった。」
-創世記

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出典:創世記1章3節(口語訳本文の「光あれ」のかぎ括弧は、名言ボックス内では二重かぎ括弧で表記しています)

聖書の最初の書「創世記」の冒頭、神が天地を創造する場面の言葉です。何もない暗やみの中に、言葉ひとつで光が生まれる。聖書全体を通じて繰り返される「光」のイメージは、ここから始まります。

伝道者の名言

「先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない。」
-伝道者

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出典:伝道の書1章9節

「伝道の書」(新共同訳などでは「コヘレトの言葉」)は、人生のむなしさと向き合う独特の書です。「日の下には新しいものはない」は、今も「歴史は繰り返す」に近い意味で引用されます。

今の悩みも、かつて誰かが同じように悩んだものかもしれない。そう考えると、少しだけ肩の力が抜ける言葉でもあります。

伝道者の名言

「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。」
-伝道者

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出典:伝道の書3章1節

この後、「生るるに時があり、死ぬるに時があり」「泣くに時があり、笑うに時があり」と、対になる言葉が14組続きます。

うまくいかない時期も、何も進まないように見える時期も、それぞれに意味のある「時」なのかもしれない。焦りを感じるときに読み返したい一節です。

イエスの名言

「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書5章3節

イエスが山の上で群衆に語った「山上の説教」の冒頭で、「さいわいである」で始まる言葉が続く部分の最初の一文です。

「こころの貧しい」は、心が卑しいという意味ではありません。自分の弱さや足りなさを知り、へりくだっている人のことだと解釈されるのが一般的です。自分は何でも持っていると思う人より、足りなさを知る人のほうが恵みを受け取れる、という逆説です。

イエスの名言

「悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書5章4節

悲しみの中にいる人が「さいわい」だというのは、一見矛盾しています。けれどこの言葉は、今の悲しみがそのまま終わりではなく、慰めへとつながっていることを告げています。大切な人を失ったときなどに、支えとして引用されることの多い聖句です。

イエスの名言

「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書5章9節

「平和を愛する人」ではなく「平和をつくり出す人」と言っている点に注目したい言葉です。争いがないことを願うだけでなく、自分から和解のために動く人がたたえられています。

イエスの名言

「あなたがたは、世の光である。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書5章14節

山上の説教の中で、イエスが弟子たちに向けて言った言葉です。この後、ともしびを升の下に置く人はいない、燭台の上に置いて家の中のすべてを照らすのだ、と続きます。

自分には何もない、と感じるときにも、誰かにとっての光になっているかもしれない。そんなふうに読むこともできる一節です。

イエスの名言

「しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書5章44節

直前でイエスは、隣人を愛し敵を憎め、と教えられてきたことに触れたうえで、それを覆すようにこの言葉を語ります。

聖書の中でも特に実行の難しい教えのひとつでしょう。相手を好きになれという意味ではなく、憎しみの連鎖を自分のところで断ち切る、という決意の言葉として読まれてきました。

イエスの名言

「だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書6章34節

この直前には、空の鳥は種もまかず刈り入れもしないのに養われている、野の花は働きもしないのに美しく装われている、という有名なたとえが語られています。

まだ起きていない明日の心配まで、今日のうちに背負わなくてよい。不安で頭がいっぱいのときに、今日一日に集中するきっかけをくれる言葉です。

イエスの名言

「求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書7章7節

文語訳の「求めよ、さらば与えられん」という言い回しで広く知られている聖句です。本来は神に祈り求めることを教える言葉ですが、自分から行動しなければ道は開けない、という励ましとしても引用されてきました。

イエスの名言

「だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書7章12節(冒頭の一文。この後、これが律法と預言者の教えの要約である、という趣旨の言葉が続きます)

キリスト教の倫理を代表する教えとして「黄金律」と呼ばれる言葉です。「自分がされて嫌なことを人にするな」という形の教えは多くの文化に見られますが、この聖句は「してほしいことをせよ」と、より積極的な行動を求めています。

イエスの名言

「狭い門からはいれ。」
-イエス

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出典:マタイによる福音書7章13節(冒頭の一文)

この後、滅びに至る門は大きく、その道は広いので入って行く者が多い、命に至る門は狭く、その道は細い、という内容が続きます。

日本では入試や就職で「狭き門」という言葉がよく使われますが、もとはこの聖句に由来する表現です。楽な道より、たとえ困難でも正しい道を選ぶように、という教えです。

ヨハネによる福音書の名言

「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」
-ヨハネによる福音書

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出典:ヨハネによる福音書1章1節

ヨハネによる福音書の冒頭の一文です。「言(ことば)」は、ギリシア語の「ロゴス」の訳で、世界のはじめから存在した神の言葉、そしてイエス・キリストを指すと理解されています。「初めに」という書き出しは、神が天地を創造する創世記の冒頭を意識したものといわれています。

ヨハネによる福音書の名言

「光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。」
-ヨハネによる福音書

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出典:ヨハネによる福音書1章5節

どれほど深いやみの中でも、光は消されなかった。短い一節ですが、絶望的な状況に置かれた人への励ましとしても読まれてきた言葉です。

イエスの名言

「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい。」
-イエス

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出典:ヨハネによる福音書8章7節

罪を犯した女性を連れてきて、律法に従って石打ちにすべきかとイエスに迫った人々に向けた言葉です。人々は年長者から順に、ひとり、またひとりと立ち去っていきました。

人を責める前に、自分はどうなのかを振り返らせる言葉です。なお、この場面(7章53節から8章11節)は、古い写本の一部には含まれていないことが知られています。

イエスの名言

「また真理を知るであろう。そして真理は、あなたがたに自由を得させるであろう。」
-イエス

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出典:ヨハネによる福音書8章32節

イエスが、自分の言葉にとどまる人に向けて語った言葉です。国立国会図書館法の前文にある「真理がわれらを自由にする」という言葉も、この聖句に由来するといわれています。

イエスの名言

「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。」
-イエス

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出典:ヨハネによる福音書15章13節

十字架にかけられる前夜、イエスが弟子たちに語った言葉の一部です。直前でイエスは、自分が弟子たちを愛したように互いに愛し合いなさい、と命じています。

イエスの名言

「受けるよりは与える方が、さいわいである」
-イエス

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出典:使徒行伝20章35節(口語訳本文では『』で示された引用部分)

この言葉は、四つの福音書には記されていません。使徒パウロが別れの説教の中で「主イエスの言葉を記憶しているべきだ」として引用したもので、イエスの言葉としてはこの箇所だけに残っています。

何かを受け取ったときより、誰かのために何かをしたときのほうが、心が満たされることがあります。その実感を、短い言葉で言い当てています。

パウロの名言

「患難は忍耐を生み出し、忍耐は錬達を生み出し、錬達は希望を生み出す」
-パウロ

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出典:ローマ人への手紙5章3~4節(抜粋)

使徒パウロの手紙の一節です。「錬達」は、試されて確かなものになった品性のことです。苦しみ(患難)はそのままでは終わらず、忍耐を通して人を鍛え、やがて希望につながっていく、と述べています。

続く5節には「そして、希望は失望に終ることはない」とあります。長いトンネルの中にいるように感じるときに、支えになってきた言葉です。

パウロの名言

「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい。」
-パウロ

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出典:ローマ人への手紙12章15節

励ましの言葉をかけることより、ただ隣にいて同じ気持ちを分かち合うことのほうが、人の支えになることがあります。短いながら、人との寄り添い方を教えてくれる一節です。

パウロの名言

「悪に負けてはいけない。かえって、善をもって悪に勝ちなさい。」
-パウロ

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出典:ローマ人への手紙12章21節

直前でパウロは、悪に悪を返してはならない、自分で復讐してはならない、と説いています。やり返すことで相手と同じところに落ちるのではなく、善い行いで悪を上回れ、という言葉です。

パウロの名言

「あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。」
-パウロ

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出典:コリント人への第一の手紙10章13節

つらいときの励ましとして、特によく引用される聖句です。「世の常でないものはない」とは、自分だけが特別に苦しい試練に遭っているわけではない、ということです。

耐えられない試練はない、と言い切るだけでなく、「のがれる道」も用意されていると述べている点が、この言葉のやさしさです。逃げ道を探すことも、恥ではないと読むことができます。

パウロの名言

「愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない。」
-パウロ

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出典:コリント人への第一の手紙13章4節

「愛の賛歌」と呼ばれる13章の一節で、結婚式でもよく読まれます。この後5節で「不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない」と続きます。

愛を気持ちの強さではなく、相手への具体的なふるまいとして描いているのが特徴です。

パウロの名言

「そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。」
-パウロ

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出典:コリント人への第一の手紙13章7節

「愛は」という主語が前の節から続いています。愛とはすべてを忍び、信じ、望み、耐えるものだ、という意味です。4つの「すべて」を重ねた力強いリズムが印象に残ります。

パウロの名言

「このように、いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。」
-パウロ

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出典:コリント人への第一の手紙13章13節

「愛の賛歌」を締めくくる一節です。知識も預言もいつかはすたれるが、信仰と希望と愛はいつまでも残る。そして、その中で最も大きいのは愛だ、と結ばれます。

同じ聖句でも、訳によって言葉が違う

聖書の名言を調べていると、同じ箇所なのに言い回しが違うことに気づくかもしれません。たとえばマタイによる福音書7章7節は、この記事で引用した口語訳では「求めよ、そうすれば、与えられるであろう」ですが、文語訳では「求めよ、さらば与えられん」という形で知られています。

日本語の聖書には、明治・大正期の文語訳、1954年・1955年の口語訳、1987年の新共同訳、2018年の聖書協会共同訳など、いくつもの翻訳があります。書名の呼び方も訳によって異なり、口語訳の「伝道の書」は新共同訳では「コヘレトの言葉」、「使徒行伝」は「使徒言行録」と呼ばれています。

気になった聖句があれば、章と節の番号をもとに、いくつかの訳を読み比べてみてください。言葉の響きの違いから、原文が持っていた意味の幅が見えてくることがあります。

出典・参考資料

聖句の本文は、日本聖書協会『口語訳聖書』(旧約1955年・新約1954年)によります。本文照合にはWordProjectの口語訳本文を使用しました。日本聖書協会は口語訳の著作権保護期間が終了していることを公表していますが、本文を改変しないよう求めているため、聖句は原文どおりに引用し、名言ボックス内の聖句中のかぎ括弧のみ二重かぎ括弧で表記しています。

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